Friday, January 12, 2007, 10:49 AM ( 364 views )
家は買うものではない、建てるものだ。
昨日参加した講習会で、先生が唱えた言葉だ。
建築に関するトラブルは年中当たり前にあるようですが、この先生、某雑誌にて住宅に関する相談を受けるという連載を持っておられまして、ひどい事例を聞けば現地へ赴き細かな調査を行い、疲弊しきった悩めるお施主さんを励まし、裁判等に提出するレポートをまとめ、サポートするという事を(これが本業ではなくボランティアとして)されているスゴイ人。
講習会は私のような建築に携るものを対象にしたものではなく、これから家を建てようかと考えている一般の人を対象にしたものでしたが、現在の戸建て住宅を取り巻く問題点は携るもの全てにあると言っておられた。
1 家を販売または建築する会社、人間に技術が無い。
2 車や家電製品を買う、その延長線上の意識で家の購入を考える施主。
3 品確法において設計士は罰せられない。
家を買う人、売る人、法、全てに問題があり、トラブルを抱える家がなくならないのだそうな。
シッカリした家を作る技術が足りないから、現場作業ではいい加減な事を行い、営業トークでは自分たちがまだ小マシにできる工法、施工を勧める販売者。
十年保証の責任を負わなくてよい設計士にどれだけ責任ある仕事ができるのか?
そこで、先生が提唱されたのは家を買うという意識から脱却し、家を建てる、家を楽しんで建てるという意識へ持って行こうということだった。
”家を買う”という意識を持って臨むと「この期間内に契約をすれば○百万円サービスしますよ!」とか、このサービスを有効にしたいのでしたら、○日までに○百万円仮契約の入金をお願いします。」というセールスの誘導に目と心を奪われてしまい、これからの人生を長く過ごす家の事を深く考えるという事をないがしろにしてしまいがちだ。
買うという意識ではなく、建てる、建てる事を楽しむ、ひいては以後の人生のライフプランを夢想しながら設計士や工事関係者と話を重ねる、という意識に変えれば自ずと綿密な計画が積み上がり、信頼の置けない業者を選ぶことはありえなくなる。
家を建てるというのは一生に一度か二度の大きなイベント。それを楽しむというのは中々出来ないことかも知れないが、第一歩の意識次第で辿り着く未来は大きく変わるのだ、という事を今回の講習では伝えたかったのだと思う。
なるほど、一般参加者とは視点を異にしていたかもしれない私だが、こういう根本の部分では立場というのは関係ない。まったくもってその通りだと思う。
私もやるからには住む人に喜んでいただける仕事をしたいと常々思っているが、家を楽しんで建てるという気概を持ったお施主さんなら、きっと現場も楽しいだろうし、いい仕事も出来そうだ、いや、いい仕事をしすぎてしまうかも知れない。
お金に余裕があって仕方が無いという人は少ないと思うが、人の基本はやっぱり心に錦を着れるひとが豊かな生活を出来るのだろうな、ということ。
精進とともに心の豊かさを忘れずに、これからも頑張って行こうなんて思う。
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Tuesday, January 9, 2007, 03:18 PM ( 493 views )
- 職人ネタ
昨年1年間でこしらえたアンコは計3個(写真はそのうちの一つ)
一昨年に15〜6作ったことはまぁ、特別だったにしてももっと作りたいなぁ。
ただ、アンコの画像が増えやしないのは、さぁ作りかけるかって時はデジカメを意識して写真に収めたりしてみても、だんだん集中してくると、カメラの事を忘れてしまうからだ。
で、増えていくのはこんな写真ばかり。
資料用に製作過程も完成品も、取り付け後のものも増やしていきたいと思っているのだけど、中々・・・。
完成品の写真くらい撮れそうなものだけど、組み上げ、漏水実験、磨きという最終工程で疲れ果てて、写真を撮るという意識はもう、遥か過去のものとなってしまう。
このブログも似たようなもので、更新しようと思って思い付きをメモとかに留めていても、メモとったときとキーボードに向かう時では気持ちの持ちようが違っていて、何だか更新しにくい感じになっている。
それにしても更新頻度が悪すぎるなぁ。
今年はもうチョット頑張って更新しようっと。
ほんで、あまり人に読まれる事を意識しすぎずに軽く書いていこうかな、なんて思う。
ま、ここはネットの片隅、あまり訪れる人もいないことだし。
Monday, July 24, 2006, 05:55 PM ( 626 views )
- 職人ネタ
銅の相場が上っています。
中国のインフラ整備に伴う需要の拡大などの理由があるのでしょうが、相場の動き方が尋常じゃないので、やはりマネーゲームに翻弄されているのかなぁ、と思ってしまいます。
銅板の一文字葺きなどは、今、施工するに適した時期ではないと思います。チョット、原材料代が高くつきすぎますね。
銅に関するこんな記事を見つけました。
10円玉で蚊、撃退 日本銅センター
銅はその加工性の高さと、加工性に比べて価格が手ごろという事もあり、様々な場面で利用されてきました。
”金ヘン”に”同”と書いて銅。
友人に家具屋さん勤めの男がいますが、彼から聞いた以下の話に通じる物を感じます。「”木ヘン”に”同”と書いて桐。桐は木じゃ、ないんやね。木と同じって主張は木じゃないって事。確かに桐は草のように勢い良く成長するし、その本質は草なんだろうね。桐の箪笥って言っても本当に良いのは会津とかの寒い地域で採れる桐を使った場合だけさ。熱帯地方の桐なんて、目がスカスカの本当に草だもんね。」
金と銅は明らかに違う。輝きも、その価値も。
でも、銅の加工性の高さや汎用性は値千金と言える場合がある。こと、今ほど素材の精製技術の発達していなかった昔ならまさに金にも勝る便利な素材だったのではないかと思います。
そんな私の愛する素材銅が、蚊を撃退するのに一役かっているというのは、何となく嬉しいです。
まだ、これから蚊は増えていきますが、銅をうまく活用すれば少し、刺される回数が減るかもしれません。
まぁ、我が家には手水鉢も池も無いので具体的な対策は打てませんが・・・。(田んぼは周りにいっぱいあります。)
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