屋根って、どの位もつもの?

 銅板屋根の場合、施工された銅の厚さによってその耐用年数に差がうまれる事があります。

 通常、一般的な家造りに使用される銅版の厚みは0.27mm〜0.5mmです。

 銅は緑青(ろくしょう)が出て、緑色に変色してしまうと、それ以降大きな変化はなくなります。

 緑青が出た銅板屋根は、その水上(みずかみ)にいぶし瓦や鉄材の何かが無い限り、かなり長持ちします。0.5mmのものだと、50年以上もつ事もあります。

 価格と耐久性のバランスから、現在では0.35mmか0.4mmの物を使用するのが最も良心的な設計者、或いは施工者であると言えます。

 銅を含め、板金素材というものは、ダメージの蓄積で穴が空きます。

 銅の場合は鉄のように錆びる事はありませんが、一点集中型の雨水のダメージが蓄積すると、徐々にその部分が薄くなり、最終的には穴が空きます。

 ですので、屋根の軽量化を目的とした腰葺き(瓦の裾に銅板葺き)やヤッコ葺き(瓦屋根の縁をぐるり銅板葺き)は瓦の雨水落ち部の銅に穴が空きやすいですね。

 銅版の屋根の場合、穴が空いているか空いていないかは、遠目では判断しにくいので、やはり専門の板金屋さんに見てもらうのが一番でしょう。

 穴の空いている箇所のみを補強するという工法もありますので、かかる費用にも幅があると思います。

 いぶし瓦の上を伝った雨水や、鉄との接触が無い限り、0.3mm程度の銅版でも50年〜60年は持つようです。

 ひと昔前には銅板の屋根は一生ものと言われていましたが、銅板屋根に穴の空く事例が多数見られます。

 酸性雨がその原因と言われていますが、経験上いぶし瓦との兼ね合いがその大きな原因ではないかと思います。

 0.35mm〜0.4mm程度の銅板で、銅板のみの屋根であれば、100年以上もつと思われます。

−注−

 ホームセンターなどで売られている”コーキング”、”シリコン”等は雨漏りの応急処置に使用されますが、緑青の出た銅板にこれらは上手く馴染みません。銅板の穴をコーキングで塞いでも、根源的な解決にはなりません。

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